■龍ケ崎キャンパス 5/22(月)
■新松戸キャンパス 5/26(金)
目次
前回のおさらい
・ヨーロッパが強くなった理由。個人主義+民主主義。
・市民革命と、その理論としての社会契約論。ホッブズ→ロック→ルソー。
・新しい社会を作るためには、新しい人間を作る教育が必要。
・普遍的な人間を作るための教育=人格の完成
憲法と人権
思考実験:法律を破ったことはあるか?
・市民は、リーダーが作った法律には従う義務がある。法律を破ったときには、ペナルティが課される。
・法律は、それぞれの市民が平和かつ幸福に暮らすことができるよう、選ばれたリーダーによって定められる。
・市民は、法律を破ることはできるが、憲法を破ることはできない。
・そもそも憲法を守る義務があるのは誰か?→日本国憲法第99条。
・憲法は市民に何を期待しているのか?→日本国憲法第97条と第98条。
思考実験:憲法がないとどうなるか?
・もしも多数決だけで世の中がきまるどうなるか?
・「多数の専制」とは何か。
・誰がリーダーになったとしても「これだけは絶対にやってはいけない」という、リーダーの暴走を防ぐ禁じ手をあらかじめ定めておく必要がある。
・憲法の原理=一般意志 人間性に関する普遍的な原則から導き出すことができるような、合理的かつ普遍的なルール。
基本的人権
*基本的人権:誰がリーダーになったとしても、絶対に人々から奪うことができない生まれながらの権利。→社会契約論で議論された、自然状態の人間が持っていた自由。
*自由権:国家からの自由。国家が侵害することができない、個人が持つ権利。
教育の自由。自由権としての教育
・自分の子供をどのように教育するかは、国家から関与されることではない。←信仰の自由 どのような思想信条を持つかについて、国家が個人に命令することはできない。
・この場合の教育とは、知識を注入したり偏差値を上げるような教育ではなく、普遍的な人間を作るための「人格の完成」を目指す教育。
・Instruction=専門教育とEducation=普通教育の違い。
人格の完成
・普遍的な人間を作るための教育とは何か?
・教育基本法第一条:教育の目的は「人格の完成」
・人格とは何か?
・「好き」と「愛してる」という言葉の意味の違い。
好き | 愛してる | |
---|---|---|
個性 | 代わりがある | 代わりがない |
タイプ | 言える | 言えない |
数値化 | 表せる | 表せない |
アイデンティティ | 変わる | 変わらない |
様相 | 主観的な感情 | 存在のあり方 |
対象 | モノ(純粋理性) | 人格(実践理性) |
・人格とは、比較できず、束ねられず、代わりがなく、変わらないようなもの。
・モノと人格の違い。
個性
・他のものと交換することができない、なにか。
・それが取り去られたら、私が私でなくなってしまう、なにか。
・「個性を尊重する」とはどういうことか?
・教育者が言ってはならない、個性を否定するような言葉。
・「名前」とは何か?
アイデンティティ
・日本語では「自我同一性」や「存在証明」などと訳されることがある。
・自同律:「A=A」
・「わたし は わたし」
・主語と述語。常に主語であるものにはアイデンティティが成立している。
・「主体性」とは何か。
復習
・憲法と法律の違いを踏まえて、憲法の役割を押さえておこう。
予習
・「自由」とは何かについて、自分なりに考えてみよう。