教育概論Ⅰ(保育)-4

▼短大保育科 5/11(木)

前回までのおさらい

・昔は、現在とは「子供」と「大人」の境界線に対する考え方が大きく異なっていた。
・現在の「教育」が始まる前、子供たちがどのように成長していたか。「教育」とは異なる「形成」という概念。

イニシエーション

・日本語では「成人式」や「通過儀礼」とも呼ばれる。
・大人の仲間入りをするために、全ての若者が突破しなければならない試練。日本だけではなく、世界全体に共通して見られる。
・肉体的には大人になっても、精神的に大人になる必要がある。
・「死」と「再生」の象徴。

若者組……学校がない世界での人間形成

・家族との分離(親離れ、子離れ)と、年齢別集団への加入。女性の場合は「娘宿」など。
・「家族」でも「学校」でもない場所における知識の伝達。
・集団労働力の提供、祭礼や村芝居の執行、消防・警察、性や結婚の管理。
・「死」と「生=性」。

日本での近代教育の始まり

・西暦1750年あたり、江戸時代中期頃から子供に対する意識は変わり始めていた。
←長期間にわたる平和。生産力の向上、遺産相続への関心、家意識の形成、商品経済の展開、識字能力の有効性の拡大。

寺子屋

・庶民のための教育機関。
・庶民の生活に密着して、そろばんや習字を教えた。
・一般民衆が自分たちのために必要とした教育機関。幕府や藩など支配者層が上から押しつけたのではなく、下からの自発的な要求によって自然発生的に増加していった。

・学問水準も向上していた。儒学、蘭学、国学の展開。
・日本は独自に近代化への準備を始めていた。が、決定的な転換点はヨーロッパとの接触に刺激を受けた明治維新(1868年)。
・日本の近代教育の成り立ちを考えるためには、どうしても西洋の教育について見ておく必要がある。

復習

・イニシエーションの具体的な例を調べてみよう。
・江戸時代の日本の教育水準について確認しておこう。

予習

・ヨーロッパの歴史をおさらいしておこう。